ちょっとした細部に面白い点がある。日本銀行は12月19日に全会一致で決議を採択し、金利を0.5%から0.75%に引き上げた。これは約30年ぶりの最高水準だ。通常のシナリオでは、これが世界の金融市場にとって「雷鳴の瞬間」——リスク資産が恐怖に震え、売り浴びせ、逃げ出す状況になるはずだった。

しかし、実際には逆の展開となった。予想された大暴落は起きず、市場はむしろ安堵の息をついた。リスク資産は反発し、円も強含む兆候は見られなかった。

なぜだ？要するに、市場が恐れているのは「既に知っていること」ではなく、「何が起こるかわからないこと」だ。今回の利上げは実はすでに織り込み済みだった。真実が明らかになり、日本銀行が金融環境を「相対的に緩和したまま」と約束したとき、最大の不確実性は消えた。まるで長い間待ち続けた嵐がやってきたと思ったら、雨もそれほどひどくなくて、みんなが安心できるタイミングで気を緩めたようなものだ。

問題は——この安心感はどれくらい続くのか？

油断しすぎないことだ。今回の利上げの背後には、より厄介なシグナルが隠されている。世界最後の「安価な資金源」——日本銀行が一歩一歩、確固たる意志で閉じ始めているのだ。日本銀行は明確に述べている。経済と物価が予想通りに推移すれば、今後も引き続き利上げを行うと。

これは何を意味するのか？かつて世界の高リスク資産（暗号通貨を含む）を支えた「円のアービトラージ」の基盤が、徐々に崩れ始めていることだ。25ベーシスポイントの引き上げは大したことないように見えるかもしれないが、それは長期的な逆転のサインだ——世界的な流動性緩和の波が、そろそろ引き潮になりつつある。

今の反発は、良い兆候というよりも、マクロの引き締め大周期の中の一つの「技術的修正」に過ぎない。温水にゆっくりと浸かるカエルの話のように、今回は本当にそのシナリオが現実になりそうだ。