【市場風雨欲來】米国CPIが連鎖反応を引き起こす、パラジウムとプラチナがともに新高値を記録

今夜アメリカは11月CPIデータを発表し、市場は複数の試練に直面しています。アナリストはCPIの年次増加率が3.1%に上昇すると予測しており、予想を超えるデータが出ると「高金利が長期化」するという見方を強め、市場の方向性を瞬時に変える可能性があります。

央行の集中決議が為替相場に波紋を呼ぶ

イギリス央行と欧州中央銀行はそれぞれ今夜20:00と21:15に金利決定を発表します。市場はイギリス央行が25ベーシスポイントの利下げを行い、欧州中央銀行は2%の預金金利を維持すると予想しています。これにより、ユーロ/ドルは0.16%下落し1.1721となっており、投資家は為替変動が世界の資産配分に与える影響に注目しています。

貴金属バブル！パラジウムとプラチナが半世紀ぶりの高値

プラチナ、パラジウムは連続6日間上昇し、プラチナ価格は一時1978ドル/オンスを突破し、2008年以来の歴史的高値を記録しました。世界プラチナ投資協会は警告を発し、2025年までに世界のプラチナ市場は供給不足が3年連続で続き、2029年まで続く可能性があると指摘しています。同じ族系の貴金属であるパラジウムも供給緊迫の恩恵を受けています。

この貴金属の上昇は、市場が経済衰退リスクを再評価し、中央銀行の金融政策の行方に関する深い駆け引きを反映しています。

米国株先物が先導、テック株に再び火がつく

12月18日、米国株の寄り前に主要3指数の先物は総じて上昇しています。米東部時間5:04現在、ダウ先物は0.14%上昇、S&P 500先物は0.44%、ナスダック100先物は0.80%上昇しています。

テクノロジー株の動きは目立ち、NVIDIA(NVDA)は寄り前に1.12%上昇し、Tesla(TSLA)は1.65%高となりました。Micron Technology(MU)は寄り前に10.03%の大幅上昇を記録し、好決算が推進力となっています。ただし、OracleのネガティブなニュースによりAIバブルへの懸念が再燃し、市場のセンチメントは依然として不安定です。

仮想通貨の反発は挑戦に直面

ビットコイン(BTC)の現価格は87.61Kドルで、24時間で0.16%上昇しています。イーサリアム(ETH)は2.94Kドルで、24時間で0.56%下落。昨日は一時2800ドルを割り込み、仮想通貨市場は引き続きAI懸念の影響を受けています。

Wintermuteの戦略家Jasper De Maereは、新たなトリガーが出るまではビットコインは横ばいのままだと指摘しています。12月下旬の大規模なオプション満期が次の引き金になる可能性があり、投資家は警戒を続ける必要があります。

今夜は米国のCPI、中央銀行の決議、オプション満期など複数の要因が重なり、市場のボラティリティは顕著に高まる見込みであり、リスク資産と安全資産のローテーションが主なテーマとなるでしょう。