ビットコイン、年末の機関投資家売却圧の中でも9万ドルタッチを目指す展開

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ETF資金流出が加速するも、現物需要で底堅さを維持

12月30日時点で、ビットコイン(BTC)はCoinbase USで8万9340ドルまで上昇。本格的な年末調整が進む中での反発であり、過去10日間では最大級の1日上昇率に接近している。この動きは一見矛盾しているが、市場の深層では興味深い資金フローの変化が生じている。

米国のビットコイン現物ETFでは、12月を通じて総額約18億8620万ドルの純流出が発生。特に直近8日間(12月18日〜30日)では約11億ドルが引き出されており、税務最適化戦略に基づくポートフォリオ調整が年末最終週でピークを迎えたことが伺える。Bitmineのトム・リー氏の指摘通り、こうした機関投資家の売り圧力は暗号資産関連株やBTC価格に大きな影響を与えている。

にもかかわらず、ビットコインが8万6000ドル台半ばを繰り返し試す局面で反発を見せているのは、別の買い手が存在することを意味する。この構造こそが、年末相場の本質を理解する鍵となっている。

リスク回避の波がアルトコインからビットコインへ

年末に市場流動性が低下する時期、トレーダーの行動パターンは典型的である。より流動性が高く、相対的に安全資産とみなされるビットコインへの資金シフトが始まるのだ。この資金ローテーションは、統計データにも明確に表れている。

ビットコインドミナンスは11月26日の58.50%から、執筆時点では59.66%まで上昇。つまり、暗号資産市場全体の時価総額に占めるビットコインの割合が増加し、アルトコインからの安定した資金移動が確認できるということである。リスク選好度が低下する局面では常にビットコインが優位性を示す傾向にあり、今回も同じパターンが展開されている。

このメカニズムにより、ETFからの資金流出というマイナス要因が存在する中でも、ビットコインが過去1ヶ月にわたり8万5000ドルのサポートレベルを維持することができた理由が説明できる。機関投資家の売却と個人・ヘッジファンドの買い進みが、微妙なバランスの上に成立しているのである。

デリバティブ市場が示す「現物主導」の反発

12月30日のCoinglassデータを見ると、今回の上昇局面の本質がより鮮明になる。デリバティブの総取引高は30.59%減の663億4000万ドルまで落ち込み、建玉も1.85%減の566億ドルへ縮小。オプション取引高も35.46%減の22億4000万ドルとなった。

これは投機的なレバレッジ取引が後退していることを直接示している。ロング/ショート比率が0.99という中立水準に接近したのも、数日間続いた弱気ポジションが解消され、市場参加者の持ち高が均衡状態に戻ったことを伺わせる。

重要なのは、取引高が大幅に減少する一方で、建玉の減少が限定的にとどまっていることである。これは新たな過剰レバレッジが積み上がっていないことを意味し、現物主導の堅実な上昇局面であることの証拠となっている。レバレッジ主導の上昇は資金調達環境が変わると急反転しやすいが、現物ベースの値上がりはビットコインドミナンスの上昇環境下では持続性が高いという点が重要だ。

2026年を前にした心理的転換点

現在のビットコイン価格が8万8000ドル台で推移を続けるなら、9万ドルの明確なブレークアウトが現実味を帯びてくる。その局面では、年末休場で様子見を続けていた投資家が、2026年新年度に向けてポジション見直しを迫られる可能性が高まる。

市場の空気感は微妙に変わり始めている。売り圧力は存在するものの、その勢いは徐々に弱まっている兆候がある。一方、底値への買い需要は8万6000ドル付近で繰り返し確認される。この攻防の中で、ビットコインが次のレジスタンスを試す展開は十分あり得る状況となっている。

ただし、最大のリスク要因として機関投資家のETF資金フローが依然存在することは軽視できない。再び大規模な資金流出が発生すれば、上値ブレークアウトの試みが再度妨害される可能性も残っている。年末から年始にかけての市場の流動性次第で、局面の展開は大きく左右されるだろう。

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