ロビンhoodの第3四半期の取引収益は前年同期比129％増の7億3千万ドルに達し、暗号通貨事業が最大の成長エンジンとなっています。

アメリカの著名小売取引プラットフォーム Robinhood（ロビンフッド）(HOOD)は、2025年第3四半期の決算を発表し、取引収益が前年同期比129％増の7億3000万ドルに達したことを明らかにしました。そのうち、暗号通貨関連収益は300％超の急増を見せ、2億6800万ドルとなり、同社の全体収益増加の主要な原動力となっています。会社の総収益は12億7000万ドルに達し、市場予想を上回ったほか、Bitstampの買収や予測市場（Prediction Markets）事業の拡大を通じて、グローバルな暗号・フィンテック分野における多角化戦略をさらに強化しています。

暗号通貨事業の爆発的成長：Robinhood、三桁成長を実現

Robinhoodは第3四半期において顕著な業績拡大を達成し、総収益は12億7000万ドルとなり、市場予想の11億9000万ドルを上回りました。1株当たり利益（EPS）は0.61ドルで、CNBC予測の0.53ドルを上回っています。

特に注目すべきは暗号通貨事業（Crypto Revenue）のデータです：

（出典：The Block）

• Q3の暗号通貨収益は前年同期比300％超の増加で、2億6800万ドルに達した；
• 2025年第2四半期の暗号取引量は前年同期比32％増の280億ドルに拡大；
• 取引型暗号収益は前年同期比98％増。

Robinhoodは、「今四半期の好調は主に暗号通貨事業によるもの」と指摘しています。最高財務責任者（CFO）のJason Warnickは次のように述べています。

「第3四半期も利益成長を実現しました。私たちは事業の多角化を推進し、予測市場とBitstampの2つの新事業ラインを導入しました。各事業ラインの年間収益は1億ドル超です。」

これにより、Robinhoodは従来の株式取引プラットフォームから、伝統的金融とWeb3を融合した総合投資エコシステムへと変貌を遂げつつあります。

主要収益構造：暗号通貨が主力、オプション・株式も堅調に伸長

財務報告によると、

• 暗号通貨収益：2億6800万ドル、前年比300％超の増加；
• オプション取引収益：3億400万ドル、約50％増、依然最大の収益源；
• 株式取引収益：8600万ドル、前年比132％増。

全体の取引型収益（Transaction-Based Revenue）は129％増の7億3000万ドルとなり、暗号市場の回復と流動性改善を背景に、投資家のRobinhoodプラットフォームへのアクティビティが再び高まっていることを示しています。

ユーザーと資産規模の過去最高更新

Robinhoodのユーザーベースも拡大を続けています。

• 第3四半期の有資金口座（Funded Accounts）は2,680万口座に増加し、前年同期比で250万口座増；
• プラットフォーム全体の資産（Total Platform Assets）は約120％増の3,330億ドルに達し、過去最高を記録。

これにより、長期投資家や暗号通貨ユーザーのエコシステムへの参入が進んでいます。

また、取引頻度や預金規模の拡大も、零細投資市場における粘着性と信頼性の向上を示しています。

戦略的拡大：Bitstamp、Prediction Markets、Arbitrumへの展開

Robinhoodの国際化と多角化戦略は加速しています。2025年6月、同社は欧州の老舗取引所Bitstampを買収しました。2011年設立のこの取引所は、欧州で最も規制が厳格でコンプライアンスの高い暗号資産プラットフォームの一つです。この買収により、Robinhoodは以下を実現しています。

• EU市場での暗号永続契約（Crypto Perpetuals）の導入；
• Arbitrumと提携し、400種類以上の株式トークン（Stock Tokens）を提供、オンチェーンの米国株の反映と越境取引を可能に。

また、カナダの取引プラットフォームWonderFiも2025年第2四半期に1億7900万ドルの現金で買収済みです。この動きは、北米市場の拡大とDeFi・暗号派生商品への布石となっています。

さらに、新たな成長エンジンとして予測市場（Prediction Markets）事業も展開。これは、選挙結果や市場イベントなどの現実の出来事に基づきトークン化された賭けを行うもので、Web3金融の長期的なトレンドに沿ったものです。

投資家の反応：株価上昇、市場は多角化戦略に好意的

Robinhoodの株（ティッカー：HOOD）は、決算発表当日に4.15％上昇し、市場の好意的な期待を反映しました。投資家は、暗号市場の成熟と規制の明確化に伴い、Robinhoodがブランド信頼性や流動性、コンプライアンスを武器にWeb3金融の中心的存在になると見ています。

一部アナリストは次のように述べています。

「Robinhoodはもはや『個人投資アプリ』だけではなく、暗号取引、予測市場、トークン化された株式を融合した総合的なWeb3金融プラットフォームへと進化している。」

業界の見解：Robinhoodの暗号戦略は新潮流の象徴

業界の観点から見ると、RobinhoodのQ3決算には次の3つの示唆があります。

1. 暗号通貨取引の回復トレンドが確定。零細層のアクティビティ増加は、市場のセンチメント回復を示す。
2. 規制のコンプライアンスが競争の壁となる。Bitstamp買収などの合規取引所の獲得は、Robinhoodのグローバル展開の核となる資産。
3. Web3金融の融合が加速。株式からトークン化資産、予測市場、DeFiプロトコルの統合へと進む。

結び

Robinhoodの第3四半期の好調は、単なる企業の復活を超え、暗号業界の周期的な回復と伝統金融との融合傾向を示しています。規制の枠組みが徐々に明確になり、トークン化資産や予測市場が新たな成長点となる中、Robinhoodの多角化戦略は今後のWeb3金融プラットフォームのモデルとなる可能性があります。

流動性の回復と市場リスク許容度の改善を背景に、暗号通貨取引やデリバティブ金融商品は再び資本市場の注目を集めるでしょう。

Robinhoodは、伝統的金融と暗号経済の交差点に立ち、次世代の「スーパー金融入口」となる可能性を秘めています。