焦ってる?OpenAIが攻撃、Anthropicが年商を水増し80億ドル、実収入はChatGPTに及ばず

OpenAI の売上責任者であるデニス・ドレッサーが4ページにわたる社内メモを発行し、Anthropic が売上の「総額」でクラウドの再販収益を計上していると告発した。比較可能な年商は実際にはおそらく 220 億ドル程度にとどまり、OpenAI が自己申告した 250 億ドルを下回る。
(前情提要:マイクロソフトと OpenAI の協業が頓挫?ウォール・ストリート・ジャーナル:双方の亀裂が拡大、「ゴールデン AI 連合」は次第に遠のく…)
(背景補充:OpenAI は 2027 年に上場「評価額は 1 兆ドル級」の目標を掲げており、史上最大の IPO 案となる可能性がある)

この記事の目次

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  • 新モデルから DeployCo へ
  • 計算資源のボトルネックと物語の戦い
  • IPO 前夜の会計の透明性問題

OpenAI の売上責任者デニス・ドレッサーは 4月13日、全従業員に対して4ページにわたる長文の社内メモを送付し、競合相手である Anthropic が対外的に公表した 300 億ドルの年換算の経常収益(ARR)には重大な水増しがあると直截に指摘した。

The Verge が入手した内容によると、ドレッサーはそのうち約 80 億ドルが、異なる収益認識の方法から生じていると見積もっており、両社の数字はそもそも直接比較ができないとしている。

メモは、Anthropic が Amazon や Google などのクラウド提携パートナーを通じて得る再販収益を計算する際、「総額」で計上している、つまり、チャネル業者に支払う取り分(分配費用)を差し引く前の全額を売上に含めていると指摘している。これに対し OpenAI は、マイクロソフトからの収益分配について「純額」で認識している。

ドレッサーは、もし Anthropic が同じ基準で計算すれば、比較可能な ARR はおそらく約 220 億ドルにしかならず、OpenAI が自己申告した 250 億ドルを下回るはずだと主張する。記事公開時点で、Anthropic は具体的な数字について未回答だ。

新モデルから DeployCo へ

財務数字をめぐる争いは、メモの導入にすぎない。ドレッサーの主な紙幅は OpenAI の第2四半期における競争展開に集中している。彼女は5つの優先任務を列挙した。

  • コードネーム「Spud」の新モデルで企業モデル層を取りに行く
  • Frontier プラットフォームをエージェント(agent)基盤インフラのデフォルトの選択肢として確立する
  • 先に発表された Amazon との提携パートナーシップにより流通の到達範囲を拡大する
  • 複数の製品ラインにまたがる統合的な販売
  • DeployCo と名付けられたデプロイメント(展開)エンジンを構築する。

メモは同時に、OpenAI とマイクロソフトの関係が調整されていることも示唆している。ドレッサーは、マイクロソフトがある程度 OpenAI の市場カバー範囲を「制限」していると述べており、新たな Amazon との提携関係はそのギャップを埋めるためだと説明している。

計算資源のボトルネックと物語の戦い

メモにおける Anthropic への批判は財務数字にとどまらない。ドレッサーは、計算資源が不足しているために Anthropic ではすでにレート制限やサービスの可用性低下といった問題が出ており、プロダクト体験が悪化していると指摘する。

そして、Anthropic が現在も、開発者やコードのシーンを中心に強みとしている点を「狭い参入口」だと性格づけしている。AI アプリケーションがエンジニアリングチームから、より幅広い企業の業務フローへ拡張されると、この優位性は逆に弱点になり得るからだ。

言葉の鋭さが最も目立つ段落は、ブランドのナラティブ(物語)に向けられている。ドレッサーは、Anthropic のイメージが「恐怖と制限」というトーンに基づいて構築されている一方で、OpenAI の自己定位である「普及化の力」と対比されると書いている。今年2月に OpenAI のCEO サム・アルトマンも、Anthropic のプロダクトは「高価で、裕福な顧客だけにしかサービスしない」と公に述べており、メモの主張と同じ口調になっている。

IPO 前夜の会計の透明性問題

この数字をめぐる論争のタイミングは、深い意味を持つ。両社とも今年中に IPO を検討しているという話が出ており、その時には投資家やアナリストは、まったく異なる収益認識の方法論に直面することを余儀なくされる。

総額と純額の違いは、一般的な会計基準の枠組みの下ではそれぞれに根拠があり、それ自体に絶対的な正誤はない。しかし、数千億ドル規模の評価額が成長の物語の上に築かれているとき、80 億ドルのギャップは市場の価格決定ロジックに十分に影響しうる。

ドレッサーはメモの結びで、従業員に対し OpenAI を、各製品ラインがそれぞれ別々に動く集合体ではなく、「統一されたプラットフォーム企業」として捉えるよう呼びかけている。締めくくりのメッセージは率直だ。「この市場は私たちのものだ。あとは私たちが勝ち取れるかどうかだ。」

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